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デジタルマーケティング

GA4ベンチマーク機能ガイド – 具体的な数値で見る業界比較と改善施策

GA4ベンチマーク-メイン画像

はじめに:ベンチマーク機能で何がわかるのか

「うちのサイトの直帰率60%って高いのかな?」「サイト滞在時間はどのくらいが理想?」――このような疑問を抱える担当者は多いのではないでしょうか。

2024年5月30日から利用可能となっているGA4の新機能「ベンチマーク」は、このような悩みに対する明確な答えを提供します。同業他社の実績値と比較することで、自社のパフォーマンスの立ち位置が具体的に把握できるようになります。

ベンチマーク機能の基本事項

機能の特徴

  • 業界別のリアルタイム比較データ
  • プライバシーに配慮された集計方法
  • パーセンタイルでの分かりやすい表示
    • 75パーセンタイル(上位25%のライン)
    • 中央値(業界の標準値)
    • 25パーセンタイル(下位25%のライン)

設定方法

  1. プロパティの「管理」→「アカウント設定」を開く
  2. 「モデリングのためのデータ提供とビジネス分析情報」を有効化

ベンチマークデータの表示手順

STEP1:ホーム画面を開く

GA4のホーム画面に移動します。ここで概要カードが表示されていることを確認し、「ベンチマーク機能」をオンにします。

STEP2:概要カードの指標を選択

以下のいずれかの指標で「▼」(プルダウン)をクリックします:

  • アクティブユーザー
  • 表示回数
  • イベント数
  • キーイベント

STEP3:ベンチマーク指標の選択

  1. プルダウンメニューから「ベンチマーク」を選択
  2. 表示される指標一覧から、比較したい指標を選択

具体的な指標一覧と活用法

 利用可能な指標一覧

1. eコマース・収益関連指標

※eコマース計測を実施している場合のみ有効

  • 購入者率
  • アクティブユーザーあたりのトランザクション数
  • カートに追加した回数(アクティブユーザーあたり)
  • 購入者あたりのトランザクション数
  • ARPPU(有料ユーザーあたりの平均収益)
  • ARPU(ユーザーあたりの平均収益)
  • 総広告収入(アクティブユーザーあたり)

2. セッション・エンゲージメント指標

  • アクティブユーザーあたりのセッション数
  • エンゲージメント率
  • 直帰率
  • 平均セッション継続時間
  • セッションあたりの平均エンゲージメント時間

3. ページビュー関連指標

  • アクティブユーザーあたりのビュー数
  • セッションあたりのページビュー数

4. ユーザー関連指標

  • DAU/MAU(日次アクティブユーザー/月間アクティブユーザー比率)
  • DAU/WAU(日次/週間アクティブユーザー比率)
  • WAU/MAU(週間/月間アクティブユーザー比率)
  • 新規ユーザー率
  • 初回購入者率

エンゲージメント率の分析例

実際の数値例:

  • 自社のエンゲージメント率:84.3%
  • 業界比較値:
    • 75パーセンタイル:62.9%
    • 中央値:50.6%
    • 25パーセンタイル:38.4%

分析のポイント:

  • 自社の84.3%は75パーセンタイル(62.9%)を大きく上回っており、同業界内で優れたパフォーマンス
  • 中央値(50.6%)と比べて約67%高いエンゲージメント率を達成
  • 継続的に高水準を維持しており、安定した強みを持つ

活用のポイント:

  1. この高いエンゲージメント率の要因分析
  2. 成功施策の他セグメントへの展開検討
  3. 優位性を活かしたマーケティング戦略の立案

この数値から、ユーザーとの強い関係性が構築できていることが分かります。この強みを維持しながら、さらなる成長につながる施策を検討することが推奨されます。

同業他社グループの選択方法

主要な業種カテゴリー

  • アート、エンターテインメント
  • ビジネス、産業
  • インターネット、通信
  • ショッピング、小売
  • サービス業 など、多様な業種から選択可能

業種の選択方法

  1. 概要カード右上のベンチマークアイコンをクリック
  2. 「ベンチマーク対象の同業他社グループ」から業種を選択
  3. 必要に応じてサブカテゴリーまで掘り下げて選択

活用のベストプラクティス

  • まずは自動選択された業種でベンチマークを確認
  • 事業領域に応じて適切な業種を選び直し
  • 必要に応じて複数の業種でベンチマークを比較検討

このように業種を適切に選択することで、より意味のある比較分析が可能になります。

まとめ:アクションにつなげるために

ベンチマーク機能は、単なる数値比較ツールではありません。具体的な改善アクションを導き出すための羅針盤として活用することが重要です。

  1. 現状把握:各指標の位置づけを確認
  2. 目標設定:上位パーセンタイルの数値を参考に
  3. 施策立案:具体的な改善アクションの策定
  4. 効果測定:定期的なモニタリングと調整

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